調子が悪い

犬の膀胱結石について。愛犬を失う前に知っておきたいこと。

犬を飼う方は愛犬のかかりやすい病気や予防法について正しく理解しておく必要があります。

私は昨年、膀胱結石からくる腎不全で13歳9か月のミニチュアダックスフンドを失いました。我が家の場合は結石が発見されたときはもう深刻な状態となっており、不調を訴えてから2日で亡くなってしまいました。

この記事はその時に調べたことをまとめたものです。一匹でも多くのわんちゃんと飼い主さんが救われることを祈っています。

 

膀胱結石はオスの犬によくみられる病気で、最悪の場合、腎不全により死に至ります。結石の原因は食事や水にも含まれるミネラルの石化によるもので、尿路感染症や尿道の閉塞を引きおこします。

やっかいなのは膀胱結石は悪化するまで症状が見えずらいことです。我が家も気が付いたときにはもう手遅れでした。

 

犬の膀胱結石の症状と兆候

膀胱結石が小さい場合、症状が出ないケースがあります。特にメスの場合、オスに比べて尿道が広く、短いため気づかないうちに尿と一緒に流れてしまう場合が多いです。

大きな石は排尿を妨げたり膀胱や尿道の内壁を刺激したりする可能性があります。兆候としては以下の通り。

チェックリスト

  • 排尿が困難になる
  • 少量を頻繁に排尿する
  • 尿中に血が混じる
  • 灰色のように変色した尿
  • 膨満感や胃が過敏になる
  • 運動や散歩を嫌がる
  • 腎臓周辺の腹部の痛み
  • エネルギーの低下
  • 嘔吐

 

 

注意すべきはこれら全ての症状が出るわけではないことです。そのため犬が痛がり始めた時に初めて膀胱結石の存在に気付くケースが多いようです。だからと言って何もせずにいるのではなく、膀胱結石の兆候が出ていないか逐次観察してあげる必要があります。治療せずに放置すると石が閉塞や慢性尿路感染症を引き起こし、命を脅かす可能性があります

 

どのようにして犬の膀胱結石ができるのか

獣医も完全に結石の原因がわかっているわけではなく、遺伝や環境によるところもあります。

そういった前提はありますが、考えられる主たる要因としては下記があげられます。

  • ビタミンやミネラルの不適切な摂取(健康維持のために必要不可欠ですが、同時にミネラルを多く含む食事は膀胱結石の原因にもなりえます。したがってビタミンやミネラルのサプリを獣医の相談なしに与えないことが重要です)
  • 糖尿病
  • 特定の薬を長期間投薬(pHレベルを変化させ、カルシウムの増加を引き起こし、それが石の形成につながる可能性があります)

 

石には様々なタイプがありますが、最もよく見られるのは以下2種類です。

  • ストルバイト

通常の尿には見られないストルバイト結晶が特定の細菌と結合すると発生します。ストルバイト結晶の存在だけでは治療の必要はありませんが、特定の細菌が生成できるウレアーゼと呼ばれる酵素と組み合わせると結石が結成される可能性があります。

  • シュウ酸カルシウム 

遺伝によるところが多いと言われています。特定の犬はシュウ酸カルシウム結石の形成を自然に阻害する尿中の物質を生成する力がありますが、それが遺伝的に少ない犬はシュウ酸カルシウム結石を発症しやすいといわれています。しかし100%というわけではなく、遺伝傾向がない犬でもシュウ酸カルシウム結石を発症することがあります。

 

シュウ酸カルシウム結石が作られやすくなってしまう代謝性疾患もあります。例えばクッシング病の犬は尿中のカルシウム排泄を増加させるホルモンであるコルチゾンを高レベルで生成する可能性があります。(余分なカルシウムは石の形成につながる可能性があります)。副甲状腺機能亢進症もカルシウム代謝に影響を及ぼし、カルシウム結石を形成する可能性があります。

 

どのように診断するのか

膀胱結石はさまざまな方法で発見されます。単純に腹部を押して発見する場合もあれば、尿検査や直腸検査中や尿道カテーテル挿入中に検出される場合もあります。最も多いのはレントゲンやウルトラサウンドで検出する方法です。

複数の結石が発生しているケースもあるため、1つ結石が見つかった場合、膀胱全体を検査する必要があります

ストルバイト結石に関する統計

  • ストルバイト結石が発見された犬の85%はメス
  • 多くの場合、ストルバイト結石を生成するのは2歳から4歳の犬
  • 発症しやすい犬種はミニチュアシュナイザー、シーズー、ヨークシャテリア、ラブラドールレトリーバー、ダックスフンド

 

シュウ酸カルシウム結石に関する統計

  • シュウ酸カルシウム結石が発見された犬の73%はオス
  • 多くの場合、シュウ酸カルシウム結石を生成するのは5歳から12歳の犬
  • 発症しやすい犬種はミニチュアシュナイザー、シーズー、ラサアプソ、ビションフリーゼ

 

どのように治療するのか

治療法は石の大きさやタイプ・場所によって異なり、手術による摘出、石の粉砕、食事療法、投薬治療などがあります。

ストルバイト結石の治療法は下記です。いずれもよい点、悪い点があります。

  • 手術
  • ウロハイドロ推進
  • レーザー砕石術
  • 食事治療

手術による治療の良い点は石が即座に排除さるところです。悪い点は一般的な手術によるリスク(麻酔・術後の痛み・感染症)があることです。

ウロハイドロ推進の良い点は石が小さければ尿道から石を排出するようコントロールできることです。ただし石が十分に小さく、また犬自体が大きすぎないことが前提です。悪い点としては麻酔が必要になることと、カテーテルを尿道から入れるため感染症のリスクがあることです。

レーザー砕石術の良い点は石が小さければ手術の代替手段となりうることです。悪い点は特殊な機材と技能が必要なため、手術よりも高額になることです。

食事治療の良い点は体へのリスクが低く、犬への負担が小さいことです。悪い点は治療により小さくなった石が尿路に詰まる可能性があることです。とくにオスは尿路が狭いため、これが命を脅かすことになります。また、この治療に使用される食事は脂肪や塩分が多いため、特定の医学的問題を抱える犬には適していません。

 

シュウ酸カルシウム結石の場合は食事による治療方法はありません。小さければ尿と一緒に排出されるケースもありますが、それ以外は手術が必要です。

 

どのように予防するのか

完全な予防法がないため、定期的な健診が必要です。日常で気を付ける点としては水分摂取です。希薄な尿には結石ができづらいため、十分な量の水を常に摂取させる必要があります。

ちなみに膀胱結石が人や他のペットに伝染することはありません。

 

治療にはいくらくらいかかるか

膀胱結石の発見には様々なテストが必要です。

※スミマセン、当方アメリカ在住のため通貨が米ドルとなっています。日本の医院のウェブサイトを見るとアメリカよりも若干安いようです。

  • 尿検査($65~$175)
  • レントゲン($50以上)
  • ウルトラサウンド($250以上)
  • 血液検査($100以上)

これらはあくまでも検査だけです。治療にはさらに高額の医療費がかかります。

  • 手術($700~$1700)

また、場合により術後のフォローアップや投薬のコストがかかります。生涯にわたり投薬が必要になるケースもあります。

 

まとめ

膀胱結石はそのままにしておくと命を落とす危険があります。兆候が見られたらすぐに獣医に見せるようにしてください。

本来的には発症しないことがベストなので、飼い犬の尿をよく観察し、適切な食事を与え、いつでも十分な水が飲めるようにする必要があります。そうすれば石がまだ小さいうちに尿と一緒に排出されるため、手術が必要になるほど大きくなることはありません。

私は膀胱結石からくる腎不全で愛犬を亡くしました。この記事によってそんな悲しい思いをする人が一人でも少なくなるよう祈っています。

 

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